今回は相続の話をしていきます。
相続発生後、様々な事情で被相続人の借金の存在を知ることがあります。
借金が発覚した時点で既に必要な手続き期限が経過していた場合、どのように対応すればいいのでしょうか。
このような状況でも、とくべつな事情がある場合には相続放棄ができます。最高裁判所の過去の判決から3つの条件が示されています。
一つは、相続人に当たる方が、なくなった方の財産が「全くない」と信じていた場合です。その場合、相続放棄の手続きをするという選択肢も、当然取ることはないでしょう。
続いて、相続財産があったかどうか調べることに、著しく困難な事情があったことです。主に相続人と亡くなった方との交流関係などの事情から判断されます。例えば、長期間別々に生活していて、交流関係も皆無だった場合、財産の内容を調査するのは困難な状況にあると言えます。
最後に、相続財産が全くないと信じたことに相当の理由があることです。上記の「相続財産が全くないと信じたこと」への根拠の有無で判断されます。様々な要因が考えられますが、相続財産の存在は認識していたものの、他の相続人が相続する予定で自身の相続分は全くないと信じていた時は相当な理由があるとされるでしょう。
相続を期に突然の借金が降りかかってくる状況は避けたいものですよね。このような状況になってしまったとしても期限を過ぎたからと諦めずに、一度専門家に相談してみるのがよいでしょう。