古高…こいのぼり会計事務所代表。広島愛が強い。
松田…同事務所の社員。古高は大学の先輩でもある。
松田:この書類、漢字間違ってますね。「相続」がヘンな字になってます。
古高:あ、「争族」のこと? 合ってるよ。遺産相続争いのことを「争族」っていうんよ。
松田:へー、学校で習った記憶ないです。
古高:学校で習ってなくてもここで習えよ。まあでも、熟語になるぐらい遺産相続ってのはモメがちなイベントなのよ。なんでか分かる?
松田:日本人が戦闘民族だから?
古高:サイヤ人かよ。争族の原因で大きいのは「遺言を遺していないから」だな。相続は基本的に遺言書が最優先されるんだけど、それがなかったら遺族同士で分配を考えることになるだろ?
松田:それはモメますね。
古高:そう。だから絶対に遺言書は書くべき。ただ、せっかく遺言書を書いても「みんなで均等に分けてね」みたいな内容だと「この土地はどう均等に分ければ…?」みたいになって結局モメるから、遺言書はできるだけ具体的な内容を記載する必要がある。法的に有効な書式も決まっているから、専門家に相談しながら進めるのがいいだろうな。
松田:でも自分が亡くなる側だったら面倒だなあ。
古高:相続する側から働きかけるのも一つのテだな。そこでモメないように注意は必要だけど。
松田:わかりました。僕は子供が相続で争うのは見たくないので、生きてる内に資産使い切ります。
古高:それはそれで絶対モメるって。