古高…こいのぼり会計事務所代表。広島愛が強い。
松田…同事務所の社員。古高は大学の先輩でもある。
松田:なんか最近、iDeCoが改悪されたらしいですね。
古高:他人事感すごいな。
松田:iDeCoやってないんですよ。節税効果は大きいらしいですけどね…。
古高:その節税効果が今回改悪されたんだけどな。そもそも、iDeCoのメリットは大きく2つあって、毎月の掛け金が所得控除される点と、60歳以降の一時金受取時に退職所得控除が使える点。この2つがあるから節税効果が高かったんよ。
松田:確かに、受取時に大課税されたら意味ないですもんね。
古高:そういうこと。ただし、iDeCoの一時金に退職所得控除を適用させるには、「他の退職金を受け取ってから5年以上空ける」というルールがある。もし5年以内だと、退職金とiDeCoの一時金が同じ控除枠でまとめて計算されて、課税額が増えるんよ。だから、退職所得控除の恩恵をフルで得るためには60歳でiDeCoの一時金を受け取って、65歳以降に退職金をもらうのが理想だった。
松田:まあ65歳定年の会社は多いですしね…ん? 「理想『だった』?」
古高:そう。今回の改正で、空ける必要がある期間が「10年」になった。
松田:え? じゃあ70歳まで働けと?
古高:退職所得控除を別々に受けるならそうなるな。
松田:僕は70歳まで雇ってもらえます?